懐かしの大先生
 

1986年 TIMS Meeting at Gold Coast, Australia


Prof. Martin K. Starr(Columbia University)
1927- 

アメリカにはOR学会と別に経営科学協会(The Institute of Management Sciences)がありました。日本でもOR学会と経営工学会とがあるのとよく似てます。

実は、日本では関西に経営科学協会が先に設立され、2年後にオペレーションズ・リサーチ学会の設立時に経営科学協会を取り込む形で、日本OR学会に統一され、学会誌の名前が「経営科学」という時代があった。OR学会が法人化するとき機関紙は日科技連の誌名をもらって「オペレーションズ・リサーチ−経営の科学−」となり、論文誌は「Journal of Operations Research Society of Japan」に一本化されたのです。

マーチン・スターはこの頃TIMSの会長でした。コロンビア大学では学長にまでなりました。この時はゴールドコーストで日本料理屋に行きました。皿の上に箸が見えるでしょ。先生の隣はMrs.Starrです。懐かしい先生だ。

現在ではこの2学会は統一され、INFORMS(The Institute for Operations Research and the Management Sciences)となった。

1987年 IFORS Conference at Buenos Aires, Argentina


Prof. Thomas L. Saaty(Pittsburgh Univ.)
1926-2017

Thomas L Saaty, Mathematical Methods of Operations Research, 1959

山内二郎 監訳, オペレーションズ・リサーチの数学的方法 上・下, 紀伊国屋書店 1960

翻訳書は上・下2巻の大著だった。座右の銘だった。

Thomas L Saaty, Analytic hierarchy process (AHP), Mcgraw-Hill 1980

AHPの最初のテキストだ。

1987年 IFORS Conference at Buenos Aires, Argentina


Prof. Robert E. Machol(Northwestern Univ.)
1917-1998

Harry H. Goode, Robert E. Machol, Systems Engineering : An Introduction to the Design of Large-scale Systems, Mcgraw-Hill 1957

森口繁一 監訳, システム工学 : 大規模組織の設計への手引, 日本科学技術連盟 1960

われわれは森口先生の監訳になる翻訳書をテキストにした。メイコール先生夫妻は3年毎の「国際OR会議」でいつも一緒だった。

IEの技法にMethod-Time Measurement(MTM法) がある。メイコール教授の考案した作業の標準時間を求める手法である。日本では生産管理、品質管理など生産管理の科学的手法が発展し、アメリカに日本式の管理手法が逆輸出された。トヨタのカンバン方式なんてアメリカでも工場にスローガンが掲げられているくらいだった。

1987年 IFORS Conference at Buenos Aires, Argentina


Prof. Saul I. Gass(Univ. of Maryland)

Saul I. Gass, Linear Programming, Methods and Applications, McGraw-Hill 1958

LPの教科書だった。ガス先生夫妻は忘れられない。 1984年、ワシントンDCでの会議の時には川向こうの自宅まで遊びに行った。日本にもよくいらした。夫人はボストン生まれ、崩れた英語の発音を耳にすると私の顔を見ながら、よく顔をしかめられたものだ。 Queen's Englishを喋られた。

左のご夫妻は東京工業大学学長だった松田武彦先生ご夫妻。松田先生が国際会議に出席する時、海外への視察団を派遣する時は、私がかばん持ちでついて行ったものだ。 東工大にも若い人がいる。いつも若山ばかりでは、まずかろうと思い「先生、2回に1回は誰かに代わりましょうか?」と言うと、「お前が着いてこなければ、俺は団長を引き受けない」と言われた。そう言われちゃしょうがない。71年の視察団を皮切りに、80年代、90年代とついて行きました。

1987年 IFORS Conference at Buenos Aires, Argentina


Saul Gass(1924-2013)

ブエノスアイレスの田舎に遠足に行った。

1988年 国際数理計画シンポジウム 東京


Prof. George B. Dantzic(Stanford University)
1914-2005

George B. Dantzic, Linear Programing & Extensions, Princeton Univ. Press 1963

LP問題の解法、シンプレックス法を発表したのが1948年だった。線形計画法の神様のような先生だった。真ん中は非線形計画法の大家Beal先生の奥様だ。

1990年 IFORS Colnference at Athens, Greece


Prof. Abraham Charnes(Univ. of Texas)
1917-1992

A. Charnes, W. W. Cooper, A. Y. Lewin and L. M. Seiford, Data Envelopment Analysis, Theory, Methodology and Applications, Kluwer Academic Publishers, 1994.

刀根薫, 上田徹 監訳, 『経営効率評価ハンドブック』, 朝倉書店, 2000

1970年代にDEAの元になる論文が有名だが、その集大成がこの本です。企業経営の効率性を追求するための数学モデルを考え出した教祖様です。優しい爺ちゃんでした。

この写真の2年後に亡くなったと、刀根先生から知らされた。刀根先生はDEAを日本に広めた人。

1990年 IFORS Colnference at Athens, Greece


Prof. Heiner Muller-Melbach
1936 - 2006

1980年代の中頃、IFORSの会長だった。私が初めて会ったのは84年のワシントンDCのIFORSの時だった。この時にアジア・太平洋のOR学会連合を立ち上げようとの会長提案で会議が招集され、学会連合の名称はAPORS(Association of Asian-Pacific Operational Research Societies)と名付けられた。

翌1985年に該当する8か国(日本・韓国・中国・香港・インド・オーストラリア・ニュージーランド)の代表が日本に集まり、第1回の理事会を開いた。その後、フィリッピンとマレーシアのOR学会がIFORSに参加、APORSにも自動的に参加した。私はAPORS Secretaryに指名され、10年間その務めを果たした。

1990年 IFORS Conference at Athens, Greece


Bob Machol(1917-1998)

この写真はメイコール先生の奥様が撮って送ってくれたものです。エーゲ海クルーズでヒドラ島に行ったときの写真です。裏にサインがしてある。貴重品だね!

1993年 IFORS Conference at Lisbon, Portugal


Trudy and Saul Gass

リスボン市内に何とか言う丘があります。そこでレセプションが開催されました。ガス先生とは本当に縁が深かったです。よく可愛がってもらいました。

ガス先生のカード(Dec. 2008)

Best Wishes For The Holidays

Trudy & Saul