ORにまつわる話「問題解決法」 − お笑い学校のページ − 作 若山 邦紘 |
「問題解決」の考え方には面白いものがたくさんあります このインターネットの世の中で、気まじめな人間の書いた気真面目なページか不真面目な人間の書いた不まじめなページが多くて退屈していました。不真面目でも気品の漂うものにわたしは惹かれていたのです。 わたしが先に公開した不真面目なページを見て「こういうORのページが欲しい」と言ってくれた元OR学会会長の大先生の期待を担って・・・ちょっとだけ書いてみました。 |
ORとは何か? 日本OR学会のホームページを2007年に立ち上げる時、わたしが冒頭に書いた「ORとは何か?」という解説文です。現在も、そのまま残っています。書き替える人がいないという事です。 |
オペレーションズ・リサーチとは オペレーションズ・リサーチという言葉をご存知ですか? 「オペレーションズ・リサーチ(OR)」という言葉さえ知らない人から言葉があることくらいは知っている人たち、これが日本人の99.99%ではないでしょうか。しかし、近年は「シミュレーション」というと誰もが日常的に使う言葉になりました。シミュレーションはORが意識的に取り上げた方法論のひとつなのです。 あなたはうまい手をつくり出せますか? 何か新しいことをしなければならない時、あるいは現在実行している事柄を改善しようとする時、よりうまい計画を立てたり、立てた計画が円滑に実施されるようなうまい管理を行うことが望まれます。 おそらくはいろいろな案を並べみて、それらの案を評価して一番よさそうな案を選択することが行われるでしょう。しかし、実際には「いろいろな案」といってもすべてを並べ立てることが難しく、どこかに落ちがあったり、「評価して」といっても、案を実施してみないことには結果の予測が立たないことも多いでしょう。 ORはこのような問題を科学的、つまり「筋のとおった方法」を用いて解決するための「問題解決学」であります。世の中にはありとあらゆる問題が次々と沸いてきます。問題とは「何か困っている」ことを指します。そのような新しい問題に挑戦するのがORです。 うまい手を考えるための定石をご存知ですか? どんな問題でも解決できるというオールマイティな方法などあるわけがありません。しかし、ORには過去にたくさんの問題を解決してきた歴史があります。これらはORの財産です。さらに世界中のORの研究者や実務家は日々新しい問題を掘り出したり、その解決方法を研究したり発表したりしています。このように「やり方を考える」人たちの情報交換や発表の場が「OR学会」というソサイエティなのです。 ORの定石、これをOR手法といいますが、OR手法は「よりうまい手を考え出すための方法」を教えてくれます。 ORは応用分野がきわめて広い横糸的な性格をもっています。 テレビといえば電気工学、自動車といえば機械工学というように伝統的な工学は縦糸的な性格を持った学問分野といえます。 ORは問題の分野を選ばないという横糸的性格を持っています。問題に取り組む場合、どのような分野でも、どのようにしてやるかを決めるための分析と意思決定をしなければならないからです。大企業でも中小企業でも、商店でも農家でも、金融でも行政でも、生産工場でもサービス業でも、何をやるにしても「分析と意思決定」を行っているわけです。 OR学会の会員には大学の学部でいえば、経済学・経営学・理学・工学・農学・医学・芸術などありとあらゆる分野にたずさわっている会員から構成されています。このようなことは他学会にはなかなかありません。理系、文系も問わないのです。 誰もがPCを使う世の中になりました。コンピュータが自由に応用できるようになることは横糸を張ることにつながります。さらにOR的な発想が出来るようになると、賢くて頑健な横糸となることでしょう。これを”OR inside”と申します。 興味を持ったら OR学会はORを自分の専門にしている人たちはもちろんですが、広くORを使ってみようという人たちに会員となっていただき、相互に情報交換をし、刺激をし合ってより豊かな社会を築くための場としてゆくための活動を盛んにしてゆきたいと考えています。それで「ORが地に足がついた状態」といえるようになります。いまや日本はアメリカに次いで世界で2番目の会員数を有するOR大国ですが、社会の目に見えるような成果をあげるには会員の裾野を広げる必要があります。 将来の日本を背負う若者にも声を大にして言いたいです。「面白くて役に立つOR」を勉強してみないかと。横糸人間と縦糸人間がバランスよく存在する社会にしたいと思いませんか。 人間社会で使われることのないORは意味がありません。みなさん、ORは実学です。 |
お笑い学校の目次 ● HOME ●ORとはなんだ? 頭の使い方さ
項目が増えましたので改訂しました。
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自 己 紹 介 わたしは爵士樂堂主人と申します。爵士樂堂の「爵士樂」とは中国語でジャズという言葉であります。 中国人の漢語による造語能力には感心します。カタカナがありませんから外来語は一切使いません。可口可楽(コカコーラ)などはポピュラーで誰もが知っていることと思います。 わたしが専門とするオペレーションズ・リサーチ(OR)分野の学術用語の訳語においても昔から「ウーン」と唸るものがありました。ORは「運籌学」というのです。籌とは中国語で「はかりごとをめぐらす」という意味です。全体では計画とその運用のための学問です。待ち行列システムは「随機服務系統」と言います。日本語に訳せば確率的サービスシステムとなります。 「爵士樂」も脱帽ものです。中国人は「公爵(Duke)エリントンや伯爵(Count)ベイシーの音楽」がジャズだと思ったのでしょう。上海のホテルで見たジャズバンドは「爵士樂團」と書いてありました。 さて1970年頃のこと、当時、東京大学経済学部に会計学が専門の津曲直躬さんという助教授がおられました。教授になられて間もなく若くして亡くなってしまったのですが、生前中、OR学会の用事で自宅に電話をしました。まだ、小さかった坊やが出ます。 帰宅された津曲さんからコールバックがあります。ちゃんと伝わっているのです。 「息子が『お笑い学校のバカ山さんから電話があったよ』っていうんですぐ分かりました」 わたしは、その時から「お笑い学校のバカ山」ということになりました。賢い坊やに頂戴したとっておきの名前なのです。 これにてひと先ず“落ち”がつきました。これって「落ち着く」という言葉の語源なのでしょうか・・・?違いま〜す。 |
本サイトは法政大学のサーバーにありました。 でも70歳で定年退職となりました。 それで、新しいドメイン”wakasemi.com”を作り、 https://www.wakasemi.com/ にすべてのページを移しました。 |
作り出した日:1999/01/25 (最後にいじくった日: 2020/01/08 ) ご質問などは 爵士樂堂主人 まで
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