実験の結果 |
実験の結果のデータはすべてが車のカードの上に記録されています。しかし、一枚ずつ眺めていてもラチが開かないでしょう。そこで、横軸に時間を、縦軸に工場に滞在している車の台数をとってグラフにしてみます。
一目瞭然となりました。4台しか修理場に置けないとすると、表にはみ出る様子がわかりますね。こんな時に大好きな渋谷警察から電話がかかるのです。 |
約1年間の実験をパソコンを使って行ってみました。平均の滞在数を計算すると3.7台となりました。平均は4台以下ですが、ピークができています。10台を超してしまうのでは叱られるわけです。
このような現象は到着間隔や修理時間のデタラメさ(ランダムネス)が引き起こす悪戯なのです。いたずら者のランダムネスも「××と刃物は使いよう」でありまして、役に立つこともあるのです。(よけいなお話1−3参照) 工場の収容台数を4台としたとき、表にはみ出してしまう確率は39%となります。 あらためて滞在台数の変化を眺めることにします。一旦、修理車が溜まってしまうと、かなり長い期間にわたって尾を引いてしまうことがわかります。つまり、連日連夜、警察の旦那から電話を頂戴する羽目になるのです。かなわない話で、修理屋のおやじが可哀相になりました。 |
さて、修理待ちの車の中で最も早く修理が終わりそうなものから修理を行うと、こんな具合になりました。一目見て改善されたことが分るでしょう。
これを見て修理工場の頑固おやじは納得しましたよ。 OR屋の諸君、素人を納得させるORをやりなさい。そうすればORは21世紀に世の中を明るくしてくれることになるでしょう。 ちなみに数字をあげておくと、優先処理を行う場合、平均滞在数=2.2台、はみでる確率=10%となりました。 めでたし、めでたし。 |